ご当地ヨーグルトについて
日本各地に無数に存在するご当地ヨーグルト。
地域内で搾ったばかりの新鮮なお乳が持つ香りや甘み、コク、旨み…その全てをぎゅっと閉じ込めたようなヨーグルトの味わいは、何年かけても語り尽くせないほどの魅力があります。
他方、わたしたちが日常で手にするヨーグルトの多くは「機能性」が謳われており、原料の大部分を占める「乳」よりも「菌」に重きを置いたブランディングがなされる特殊な食品ジャンルです。
ヨーグルトマニアとして発信活動をする中で、多様な乳の魅力に溢れるご当地ヨーグルトは一般のヨーグルトとは分けて捉えるべきと考え、日本各地を巡りながら酪農・乳業について今なお学ばせていただいている最中です。
ヨグネット誕生の背景
2018年、茨城県小美玉市にて「第1回全国ヨーグルトサミットin小美玉」が開催されました。
全国のご当地ヨーグルトが集う前代未聞のサミットには、2日間で延べ3万9000人もの来場があり、誰しもがその需要の高さに驚いたのでした。
ヨーグルトサミットは、消費者向けの物産展やステージイベントと並行して、生産・製造者、研究者向けの学びと交流の場が設けられていたことに大きな意味がありました。
それまで接点のなかった日本各地の中小乳業メーカーが一堂に集い、情報を共有しあう貴重な機会となったのです。
このヨーグルトサミットは、ご当地ヨーグルトが盛んな地域での持ち回りイベントとして受け継がれ、2019年には岡山県真庭市で、2021〜2022年には岩手県で開催されたものの、その後の引受先が決まらず頓挫しています。
運営母体を持たないイベントゆえにノウハウの継承が難しく、開催地の人的・経済的負担も大きい上に、コロナ禍でのイベントのあり方の見直しも大打撃でした。
これらの課題を解決すべく取り組んだのが、運営母体としてのヨグネットの設立です。
いざ、ヨグネット設立
2022年4月20日、ヨーグルトサミットに関連のある全国の中小乳業メーカーを対象に、「第0回ヨグネット」と称したオンライン勉強会を開催しました。
この時点でのコアメンバーは、「第1回全国ヨーグルトサミットin小美玉」を立ち上げた小美玉市の職員である中本正樹氏と、「第3回全国ヨーグルトサミットinいわて」の総合プロデューサーを務めた元湯田牛乳公社の小林冬樹氏と向井の3人。
自治体・メーカー・マニアとバランスの良い組み合わせで好調なスタートは切れたものの、その後中本氏は異動、小林氏は転職で共に離脱。
1人取り残されどうしたものかと頭を悩ませましたが、一般財団法人食品産業センターの菅原秀喜氏の勧めで商業展示会「FOOD展2022」への出展に取り組み、全国27社の乳業メーカーと共にデビューを果たしました。
こうして活動内容が可視化されたヨグネットは、児玉尚子氏と有限会社アリマン乳業 代表取締役 三浦崇氏を理事に迎え、一般社団法人として本格始動することになりました。
感謝を原動力に
ここへ至るまでには、本当にたくさんの方々に支えていただきました。
何度も工場や牧場を見学させてくださった生産・製造者の皆様、ヨーグルトサミットに関わらせ続けてくださった各実行委員の皆様、ヨグネットの活動に賛同してくださるメーカーの皆様、資金面を支えてくださる関連企業の皆様、活動を取り上げてくださるメディアの皆様、そしていつも温かい応援メッセージを贈ってくださるフォロワーの皆様。
この感謝の気持ちを原動力に、ヨグネットの代表としてご当地ヨーグルトの価値向上に努めてまいります。
よろしくお願いします。
一般社団法人ヨグネット 代表理事
向井智香